小学生クラス3月2017/03/31

3月の小学生クラスは、編み物がテーマです。

今の小学生たちは編み物をする機会にはなかなか恵まれていません。
別にできなくても、困らないものですが、
編み物ほど、手と脳がダイレクトに結びつく手仕事はありません。

1本の紐から平面にも立体にもなる面白さもあるのですから、
ぜひ子どものうちに経験しておいて欲しい手仕事です。


好きな毛糸を選んだら、ざぶとんに好きな格好で座って。
棒針で一目ずつ大切に編んでいきます。

「棒入れて♪」
「糸かけて♪」
「トンネルくぐって♪」
「お隣へ♪」
ゆっくり、一目ずつ、手を動かします。

全員が初めてさわる棒針です。

当たり前ですが、扱い方にもなかなか慣れず…。
頭でわかっても、毛糸は思うように動いてくれません。

するすると針から抜けてしまうし、ひっぱれば解けてしまうし。
「できないーっ!」
「わからなくなっちゃった…」
「目が増えてる???」
「先生、助けてくださーい!」
なんて声がひっきりなしだった1回目。

子どもたち、うまくできないことが悔しくて、
お家に持ち帰って練習してきた子もいました。
自ら持ち帰りたいという意欲、すばらしいですね。


2回目。
なかなか進まなかった段が重なってきました。

難しそうに見えたけど同じ動きの繰り返し、ということが指と頭で理解できるようになると
編み目も揃いだし、どんどん進み始めます。
すると集中力が増し、無言で毛糸に向かえるようになりました。

肩が痛い!というくらい、根を詰めて編む子や
「わかると楽しくなってきましたー!」という子もいましたよ。

編み目にはその子の内面が現れるようです。
集中がとぎれた箇所が、ひと目で分かったり、
真面目で几帳面なので一生懸命やるからなのか、編みがきつすぎて針が入らなくなってしまったり、
指のコントロールがまだうまくできなくて、ゆるゆるの網目になっていたり。

その都度コツを伝えると、徐々に自分で自分をコントロールできるようになっていくのが
子ども達の素晴らしいところ。
そして、教師にはその子のこれからの課題も見えてきます。

子どもたちは、いろんな体験を重ねて…
3回目には、みんなそれぞれの目標段数を編み切ることができました。


縫い合わせてマントを作り、羊毛のこびとに着せたら、
かわいくて、表情豊かなこびとができあがりました!
どこか、作った子どもたちに似ているような…?

「できない」から、気持ちを切りかえて、
自分で手を動かすことに向き合って、出会えたこびとです。
その気持ちが、子ども達にとって大切な糧になると信じています。


3月最後の小学生クラスは、6年生の卒業の日でもありました。
みんなからありがとうを贈られての卒業でした。
中学生もいっぱい楽しんでね!

一年間ありがとうございました。

こびとのおうち http://www.kobito-ouchi.jp